理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成21年2月
園長 安井千代
この60年を振り返って

昭和24年に園長を拝命し、由来60年が経過いたしました。
「人として良いことは良い 悪いことは悪い」と、子供にも保護者にも、ぶれることなく発信し続けた60年でした。
この間、多くの方のご支援を受け、また子ども達からも生きるエネルギーをもらい、本日に至りました。
記念式典を耳にされた一期生のある方がお寺までこられ、「僕らは、ここで育った。この上に60年が積み重なりました。周りに式典に参加しようとの声をかけてみます。」とおっしゃいました。有り難いことです。
また式典への参加を希望された方の中には、80歳代はむろん、90歳代の方からもございました。
本日参列いただいた方・今までのご縁のあった方・すでにお浄土に遷化された方をも含めまして、心より感謝申し上げます。

 創立時を振り返ってみますと、宗教法人極楽寺の代表役員・安井玄龍が初代の設置者となります。
安井玄龍は私の父にあたりますが、長南小学校で長らく教鞭をとり、戦後の混乱期に南中通村の村長を務めていました。戦後の復興は幼児教育の振興、並びに日本の文化の継承にあると信じ、幼稚園開設を決意しました。
幼稚園を開設するという話を聞いた方々は、「あの安井玄龍先生の所なら、間違いない」と、42名が第1期生となられました。現在、60歳代半ばになられています。
設立当時は、4歳児・5歳児と同じ教室で学び、数年後には、約80名の在園児となりました。

 その後「長南小学校に市立幼稚園を開設します」という連絡が市から入りました時には、安松幼稚園の入園受付は既に終わっていたのですが、「新しい状況で幼稚園を自由に選択できるように」の趣旨から、その受付を破棄し、再度の募集となりました。
当日開門しますと、多くの方が早くから並んでおられ、「先生、2回も並んでやっと入園できるわ。値打ちあるわ。」の声に、苦笑したことを今でも覚えております。

 昭和51年には、国の指導があり、宗教法人極楽寺から学校法人真曜学園に設置者を変更し(2代目理事長:安井俊昌)その1年半後、お寺の境内地から現在の場所に移ることになりました。
移動の日の朝、開門しますと、道にはトラック2台と多くの手伝いの人がいました。それらの方は、現3代目理事長が高校で担任し、6年前の卒業生との事でした。「先生、幼稚園引っ越しと聞いたんで、皆で手伝いに来たわ。」とのことでした。涙が頬をつたいました。

 そういういろいろな想いが交叉して、本年の60周年を迎えました。

 最後に安松幼稚園の先生方と保護者について一言申し述べたく思います。
先生方は、「風通し良く思ったことを率直に」を共通の意識として、年間20回以上の研究授業を重ねています。その反省会では、全ての先生方が、「ここは良かった。ここはまずかった。」等の意見を交えます。このような風通しのよい研究授業、並びに日常の授業における自由参観・意見交換・反省を通じて、先生方の力量upと共に、仕事に対する姿勢が培われていきます。
先生方が仕事に対する自覚を持ち全力投球をするのは当たり前のこととはいえ、熱い心でもって、当たり前のことを当たり前にしてくれる先生方をとても誇りに思っています。
 また保護者の方から、「何より先生方の御指導には頭が下がります。」というお便りを多く頂きます。一生懸命な先生方の姿勢をご覧になっての、保護者の受け止め方にも、「有り難いなぁ」と強く感じています。
そういう保護者の方の後押しが、「頑張るぞー!!」という先生方のやる気と達成感を育てるのです。幼稚園が、信じるところの教育にエネルギッシュに邁進出来るかどうかは、保護者の物事の受け止め方にかかっています。
ここに改めて 来賓の先生方・卒園生・保護者の方々に、御礼申し上げると共に、今後のご支援・ご指導をお願いするところです。