理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

令和2年3月16日
理事長 安井俊明
安松幼稚園の歌唱は 表情・表現(動作)が要
~ ・朝日テレビ ミュージックステーションで放映
・弓場メソッド合唱コンクールで奨励賞を受賞
・モンゴル・オリンピックマラソン選手との持久走 ~

 暖かい冬の中での新型コロナウイルス流行の一刻も早い終焉を願いつつ、気候変調を感じる昨今ではありますが、本日、卒園・進級の日を迎えました。
卒園・進級おめでとうございます。
 全ての在園生にとってこの一年、充実した日々の幼稚園生活と共に、心震わせた多くの行事がありました。
 中でも、本年の第71期生である卒園生にとっては、深く印象に残る三つの出来事がありました。
一つは、朝日テレビのミュージックステーションから取材があり、放映されたこと。
二つには、YUBAメソッド合唱コンクールにおいて、奨励賞を受賞したことです。
三つには、泉佐野市から依頼されて、モンゴルのオリンピックマラソン選手と一緒に走ったことです。今後J-COMやNHKのニュースで放映される予定ですので、楽しみになさって下さい。

 本稿は、上記の出来事に鑑み、当園の歌唱指導について述べたく思います。

【Ⅰ】テレビ朝日のミュージックステーション年末特番スペシャルに、安松幼稚園年長児の歌唱が放映された件
 昨年の12月初めに、Mステのディレクターから電話がありました。
70期生が、安松幼稚園創立70周年記念コンサート(泉の森ホール)で歌ったYELLをYouTube(もしくは当園のHP)で聴き、ディレクターはじめスタッフ全員が感動しました。
それで70期生が泉の森コンサートで歌っているYELLを、Mステで放映したい。
また東京から現地に取材に行くので、71期生の歌唱を撮影し、Mステで流したい。
との3点を依頼され、年末の放映となったのです。
放映後、とても好評であったというお礼の言葉を頂きました。

【Ⅱ】YUBAメソッド合唱コンクールにおいて、奨励賞を受賞した件
昨年の8月末に、YUBAメソッドを主催されているお一人から、「安松幼稚園創立70周年記念コンサート(泉の森ホール)の歌唱を、YouTubeとHPで聴き驚きました。当方が主催するコンクールに、是非とも参加してほしい」という依頼がありました。
 私は、「安松では、全員で楽しく歌うことを最重視している。それ故、他の団体のように、歌唱の得意な子供のチームを作って参加することは考えられない。またコンクールになると歌の綺麗さが第一に重視され、裏声中心の歌唱になる。安松では、楽しく歌うことが第一であり、楽しく歌う中で歌の綺麗さを求めている。地声での発声も大切にし、主として高音部を裏声で発声する。子供それぞれに出しやすい音域が異なるので、地声と裏声のミックスでの歌唱である。これは明らかに、コンクール向きではない。」との意から、参加をお断りしました。しかしながら再三再四のお誘いがあり、年長児全員での参加となりました。
この2月7日に審査発表があり、奨励賞を受賞しました。審査概評は次の通りでした。
発声:高い音が裏声傾向になっているので、無理なく伸びやかに広い音域を歌うことが出来ています。
歌唱:裏声と表声(地声)のスムーズな行き来・音域の広さ・声の大きさ・音程の正確さには目を見張るものがあり、とても素晴らしい演奏でした。
受賞発表の際、たまたま年長さんはホールにいたのですが、結果を園内に放送で流すと、年少年中のクラスが、自然とホールに向かい、「年長さん、すごいです」と皆で喜び合いました。私も、「そういう指導をして下さる先生とそれに応える年長さんを誇りに思います」という話をし、年中さん・年少さんにも「年長さんの後を継いで、日本一の年長さんに」というエールを送りました。 

【Ⅲ】安松幼稚園の歌唱指導
 歌唱は、歌っている人が楽しくなくてはならない と考えています。
この10年間、いろいろと試行錯誤しながら、現在の歌唱の指導となりました。

唱歌の基本

口は縦長で歌う(口は縦長 指3本が縦に入るぐらいの気持ちで)

滑舌をなめらかに

姿勢、眉、目の動きを大切に

安松幼稚園の歌唱指導の2本柱

表 情 …… 表情のない音楽は音楽ではない

※ 豊かな表情により筋肉が柔らかくなり、伸びる声が出ます。

※ よい表情から楽しい心が生まれ、明るい声になり、響きが良くなります。

表 現(動作) …… 声と動作(表現)は連動する

※ 人はじっとしていると、筋肉が固くなります。
表現(動作)をつけることで脱力でき、きれいな伸びる声につながります。
声の響きがよくなります。

※ 全員の表現がそろえば、声もそろいます。
声の響きがよくなります。

※ 表現(動作)を色々と変えることで曲調にあった声になり、情感豊かな
歌唱を作り上げていくことができる

その声に応じた表現(動作)をつけることにより
迫力のある声  ぐうっと伸びる声  なめらかな声
柔らかい声    などの声が出やすくなります

その他

合唱は躾の集大成

指揮の先生をしっかり見つめるという集中力がないと 合唱にはならない。
そのためには、先生やお友達が話しているときは、そちらを見てしっかりと聞くという日常の躾が不可欠である。

安松幼稚園の歌唱における表現(動作)は、子供のかわいらしさを醸し出す振り付けではなく、すべて音楽的に意味のあるものである。

芸術(歌唱、ピアノなどの楽器,茶道,書道、歌舞伎 狂言などの古典芸能,落語など)は、すべて模倣から始まる。
先生は、子供たちが模倣するに値する所作を身につけなくてはならない。

【Ⅳ】最後に
★ここ10年の歌唱指導において、大きな方向性については、元大阪教育大学附属天王寺の諸石孝文先生に指導・確認を頂きました。先ほど述べましたように、先生は、子供たちが模倣するに値する所作を身に付けることが出来るよう、先生自身の歌唱・指揮を含めた指導能力を高める為に、ご尽力頂きました。お礼を申し上げます。
★安松幼稚園の歌唱がMステで放映されましたのは、YouTube(もしくは当園のHP)を通して、70期生が歌っているYELLにMステのスタッフが感動したことが契機となりました。諸石先生から「70周年記念コンサートでの歌唱はとても素晴らしかったので、YouTube(HPにも)にupを」との提言を頂きました。昨年70期生の卒園式後に、「もしかすればYouTubeにupするかもしれませんが、如何でしょうか」と話したところ、全員の方が気持ち良く受け止めて下さいました。その結果が取材につながり、後輩である71期生の歌唱の姿がMステで放映されるという得難い経験をし、後輩の活躍の場が広がりました。
そういう提言を頂いた諸石先生、その提言を気持ち良く受け止めて頂いた70期生の保護者の方々に、この場を借りて、お礼申し上げます。
後輩たちが、幅広い様々な経験を積み重ねることができるよう、園としても励んでいきたいと考えています。そしてその為には、保護者の方々の理解が必要となります。
 最後に、卒園生・進級生、そしてそれら園児に関わる全ての方に幸あれと念じ申し上げます。