理事長エッセイ
先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り
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教育とは 子供達の心を震わせ魂を揺さぶること
―― スマトラ島沖地震などの災害を通して ――
当園では阪神淡路大震災の起こった1月17日に、スマトラ島沖地震を含め色々な災害について子供達に話しました。また自分の問題として捉えやすいように、インド洋大津波の写真等も、新聞から切り取って教室に掲示してあります。
そういう環境の中で、3歳の子供でも解るように、噛み砕いて話します。多くの子供が真剣に話を聞き、中には涙を流しながら、聞く子供もいます。(具体的な話の仕方については、年少の中島さんに対する伊藤先生の返事をご覧下さい。)
教育とは子供達の心を震わせ魂を揺さぶることだと思います。大人がきちっと心を込めて話しさえすれば、3歳の子供も皮膚感覚で理解し、いやむしろ3歳・4歳・5歳の幼稚園児の方が、私たち大人より感受性があるようです。
「日常、私達が当たり前と思っていることが、実はそうではなくて、色々な周りのお陰により支えられているんだ」ということを感じる心を、当園では育てていきたく思っています。
災害は悲しい出来事ですが、そういう折こそ、子供たちとしみじみと話す機会でもあります。
魂を震わされた子供たちは、家に帰って、お母さんに自分なりに理解したことを話しました。その結果多くの協力を得て、教職員とあわせて\135,352円を日本赤十字社「スマトラ島地震救援」に、郵便局から振り込みました。
振り込み日24日は久しぶりに暖かく、運動場での朝礼となりました。
年長さん数人が、その義援金が入っている袋(大人にとってもかなり重いものです)を代わる代わる持って、その重さを実感しました。園長先生から「この袋が重いのは、お友達が持ってきてくれたお金の重さとともに、困っている人を助けようとするお友達の優しさもいっぱい詰まっているから重いのよ」という話がありました。
お便りも多く頂きました。
「先生から聞いたお話に、心を揺さ振られるという経験をもちました」
「少し我慢するという心も育ちました。」
「新聞の切り抜きなどを使い、物事を奥深く捉えて話して下さることに感謝しています」
「社会での出来事を子供でも理解できるように噛み砕いて話してもらい、また被災地の方に対しての優しい心を育ててもらって、とても嬉しいです」
等々の趣旨の手紙が募金に添えられていて、こちらも心のぬくもりを感じる一時をもつ事が出来ました。
最後になりますが、私は、伊藤先生の返事を見て涙がこぼれました。各教室での先生方と子供達の心の交流が頭をよぎったのです。
それぞれの瞬間を見逃さず、子供達に色々なことを想像させ、優しい心を育んで下さる伊藤先生を含む当園の全ての先生に感謝するとともに、3歳・4歳・5歳の子供たちの感受性に脱帽したく思います。そして被災地の一刻も早い回復をお念じ申し上げます。