理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

令和2年12月28日
理事長 安井俊明
こころ一つに  この難局を乗り越えましょう

 感動が胸を巡った文化発表会(12月2,3日に実施)から、既に3週間が過ぎ去りました。
コロナ風邪で日本中が閉塞感に覆われる中、子供たちの明るい笑顔、やる気に満ち体全体から発散するパワーとその元気さに、 私たち大人の方がエネルギーをもらい、色々な思いを新たにされたことと思います。

●文化発表会前日に 幼稚園からお配りした印刷物の一部

 私達は、こわがって、ウイルスから逃げて逃げまどっても、防げるものではない。……どのように向き合うかを考えなくてはならない。 怖い怖いだけではなく、病気の持つ怖さのレベルと、一度きりの人生の中で私たちの生活をみつめ、生活の質や潤いを大切にしながら、 それらのバランスをとって対応していかなくてはならない と考えています。

●文化発表会後に 保護者の方から頂いたお手紙60通の中から一部を紹介

☀再び感染者が増え、毎日コロナの話題の中、何が正解かわからず過ごしておりますが、園からのお手紙にあった 『生活の質と潤いを大切にする』この言葉にハッとさせられました。
年中の今でしか経験できないことや成長を奪ってしまうことの重大さ。その機会を奪わず幼稚園生活を送れていること、本当に感謝しかありません。

☀連日コロナの報道ばかりで気が滅入りそうですが、子供たちの一生懸命な姿に大人の私たちが励まされ、 なぜか分からないのですが、何度も涙がこぼれ落ちました。
この時期に、運動会に続き、発表会まで開催して下さり、安井先生の覚悟に感謝の気持ちでいっぱいです。

☀コロナでまだまだ大変な世の中。そんな中で色々な工夫をして“今”を大切にしてくださっている安松幼稚園の先生方には、感謝しかありません。

●現在の学校や園の状況

 11月12月と、泉佐野市、熊取町、貝塚市など近隣の市町において、小学校・中学校・幼稚園・こども園・ もしくはそれに準ずる園において、学校関係者・園児・児童・生徒に感染者が出たり、家族が感染者となったために、その濃厚接触者となるという状況となっています。(なっていました)
 保健所の指導により、感染者が出た園・学校では3日程度の休園・休校となり、濃厚接触者の場合は、約2週間の自宅待機という措置が取られています。(取られていました)
(上記は、状況が刻々と変化している中での情報ですので、おおよその話の途中経過であるとお受け止め下さい)

※上記の状況を鑑みるに、国が定めている現在の新型コロナウイルスへの対応の下においては、どの 学校(安松幼稚園を含む)において感染者 濃厚接触者が いつ出ても不思議ではありません。

●幼稚園の姿勢と今後の方向

 繰り返しになりますが、病気の持つ怖さのレベルと、一度きりの人生の中で私たちの生活をみつめ、生活の質や潤いを大切にしながら、 それらのバランスをとって対応していくという基本方針は変わりません。
 もちろん、日常における消毒換気の徹底、ある程度の教育効果を保つ中でのマスクの適切な使用などは、 続けていきます。
 2学期の大きな行事も、皆さんの理解と協力を得て、それほど縮小することもなく、無事に終了できたことを喜びたく思います。
あと3学期には、作品展 並びに本来6月の行事であったお楽しみ音楽会 授業参観、誕生日会、末広公園での年長児の持久走 卒園式などが予定されています。 色々な情報を集め、全体を視野に入れ、バランスを取りながら、実施の判断をしていきたく思っています。

●今後への心構え  現在 通常時の園の対応  感染者などが組織内で出たときの一般的な対応

 人間とウイルスは共存しているのは紛れもない事実ですので、人の免疫力や体調によって、いかなる園 (安松幼稚園を含む)・学校において、先生や関係者、園児・児童・生徒を含め、またその家庭の中でも、感染者や濃厚接触者などが出る可能性はあります。零リスクではありません。
 インフルエンザ(例年の感染者数は約1000万人・死亡者数5000人~10000人)の場合は、園医と相談をとりながら、発生者数に応じた措置(学級閉鎖・学年閉鎖・園閉鎖)を行っています。
 新型コロナ風邪についても万が一の場合は同様に、市(府)・園医・保健所と相談しながら適切な措置をとっていきます。そういう事態にならないことを心から願っていますが、零リスクではない、 そういう事態が起こる可能性を頭の片隅に入れておいて頂けたらと思っています。

園の対応

➊多面的に物事をとらえる

❷徹底した消毒

机、椅子、階段の手すり、玄関の取っ手、トイレのドアや便器のボタン、バスに座った時の前の取っ手、その他

❸徹底した換気

教室、廊下、遊戯室、バスなど、定期的に換気

❹教育効果をそれほど低下させない中での 適切なマスクの使用

❺非常事態においては 落ち着いた適切な対応

感染者 もしくは 濃厚接触者 が学校で出た場合の 現在における一般的な対応

◆すべて保健所の指導・指示による

◆感染者が出た場合……保健所の指導により 3日ぐらい休校し、消毒をする

◆濃厚接触者が出た場合……先生なら出勤停止 園児なら自宅待機とし、休校まではしない

●幅広く情報を取り入れるための一助(それぞれの正否の判断はご自分でなさって下さい)

☀PCR検査そのものの問題点 数多くありますが ここでは略します。別紙 井上正康先生に学ぶ をご覧下さい。

☀陽性者 感染者 患者 の区別がされずに、マスコミでは報道されている

・陽性者…ウイルスが鼻の粘膜などの体内に入った(これを曝露といいます)だけで、感染には至ってない人。もしくは免疫に破壊されたウイルスの残骸がPCR検査に反応した人

・感染者…陽性者の中で、ウイルスが細胞内に侵入した人。無自覚・無症状が多数

・患 者…咳や発熱などの症状がある人

☀感染症第2類に指定(1類相当)されていることの是非

年間約1000万人の患者が出るインフルエンザは5類です。1類には致死率が5割を超えるエボラ出血 熱やペストが指定され、2類には結核や重症急性呼吸器症候群(SARS) 5類は、年間約1000万人の患者そして約5千~1万人の死者が出るインフルエンザなどです。 多くの医者、保健所関係の方が、少なくとも5類への指定の変更を求めています。保健所長会議も、厚労省に5類への指定変更を申し入れました。 この2類指定(1類相当)が、保健所の方に考えられない仕事量を課し、病院のタイトな感染制御、医療崩壊の引き金となっています。がんじがらめで、日本中のあちこちが軋しみ、崩壊寸前です。
こういう中、厚生労働省と分科会は、新型コロナの2類指定を1年延長することを決めました。
私には、信じられないことです。

☀6月18日の厚生労働省の通達に関する疑問点

お医者がその患者を数年診ていて、明らかに悪性腫瘍などの疾患で亡くなった場合でも、 今回の検査により陽性反応が出れば、全て新型コロナでの死亡として報告するようにという通達です。
この通達を契機に、死亡者数や重症者数の数が増加し、その傾向は今に続いています。

☀20歳未満の年齢層には、現段階で 新型コロナ風邪で 亡くなった方は0人です

このような状況で、小学生全員がマスクをつける必要があるのでしょうか。
これに関しては最後にもう一度取り上げます。

☀今年の日本におけるインフルエンザは、現時点では消滅状態

厚生労働省から、1週間毎のインフルエンザの発生件数が公表されています。それによると、直近の令和2年第51週(12月14日~20日)1週間の、 全国でのインフルエンザ発生数は70人でした。昨年の同時期は 1週間当たり105,221人でしたので、 1日当たり 15,000人の患者が出ていたことになります。 本年は1昨年の 1/1500 となり、現段階では、本年度の日本におけるインフルエンザは、ほぼ消滅したといえます。(ウイルス干渉)
インフルエンザの患者数については 2018~19年は1200万人 17~18年は1458万人 16~17年は1046万人でした。

☀新型コロナの流行時でも、超過死亡は見られていない

 超過死亡とは、感染症が流行した一定の期間の死亡数が、過去の平均的な水準をどれだけ上回っているか示す指標です。 インフルエンザの流行を評価するために開発されました。すべての死因で比較すると、外出自粛などの対策による交通事故死や自殺の増減を含め、 流行と対策が社会に与えた影響を総合的に推定できます。国際比較の指標にもなっています。

 超過死亡に関する分析は何種類かありますが、厚生労働省研究班によれば、2020年の途中の段階ですが、 新型コロナ流行の2020年において、 超過死亡は見られず例年より少ないとのことです。

☀日本における総死亡者の観点から

 超過死亡の考えと関連しますが、次のように考えるとわかりやすくなります。
日本における総死亡者の毎月の数は、10万人~14万人となっています。 死亡者数の各月毎の平均値は、1月頃が一番多く約14万人、6月頃が一番少なく10万人ぐらいです。 このばらつきの原因は、季節による感染症の死亡者の多い少ないが影響しています。
 2019年は1年で約140万人が亡くなり、1日当たり約3800人が亡くなっています。このうち何人がインフルエンザによるのか、 また現在は、何人が新型コロナによるのかを見比べることは意味あることだと思います。新型コロナ風邪が流行する以前は、インフルエンザで1年に 約5000~10000人の方が亡くなっています。
 さてこの一年、感染症の一つである新型コロナ風邪が流行し私たちを恐怖に陥れたのですが、 今年の総死亡者数は例年の平均を下回っています。(8月だけは平均を少し上回っています) つまり、 感染症全体による死亡者が減じたということで、このままのペースであれば、例年より約24,000人程度死亡者が減るだろうと予想されます。
 新型コロナの流行の2020年において、超過死亡は見られず総死亡者数も例年より減少するのではないかと予想できる数値(感染症研究所)が出ていますが、 このようなプラス面の情報は、ほとんど報じられません。現在の報道が、私たちの恐怖をあおりすぎているように感じるのは、私だけでしょうか。
風邪(新型コロナ風邪・インフルエンザ・夏風邪・冬風邪・土着の亜種コロナによる風邪など)全体をとらえる視点をもち、物事全体を視野に入れ、バランスの取れた判断を心掛けたいものです。

☀集団免疫についての考え方が、もう少し報道されるべきかなと感じています。

☀ここ1週間ばかり、新型コロナ変異種がイギリスで急増し、感染力が70% 高いという報道がなされています。注意して見守っていきましょう。

●物事には必ず裏・表があります。
マスクを小学生全員がつけている現状は、バランスが取れた判断なのでしょうか?

 マスクは、コロナ風邪やインフルエンザなどの風邪全般の予防に対して、医者の主張に程度の差こそあれ、 ほぼ何らかの効果はあると考えられていますし、私もある程度の効果はあると認識しています。
ただマスク着用を、幼児や小学生にまで強制することはいかがなものでしょうか?
 先ず、次の矩形をお読みください。

●安井の山歩きの途中での出来事
 私は山歩きをしている時に、山中で、鳥かごを持った(もちろん鳥を入れた)人に出会うことが何回かありました。 お話を伺ってみると、小鳥のさえずりを聞くのが好きな愛好家たちの間で、それを競う会があるそうです。 きれいな鳴き声、さえずりを出すようになるには、山の野鳥の鳴き声・さえずりを聞かさなくてはならないそうです。
●鶯のさえずりの上達
 2月3月と日がたつにつれ、皆さんの家の周りに訪れる鶯の鳴き声・さえずりが上手になったと感じられた経験をお持ちでしょうか。 昔は里の家の周りの梅の木々に鶯が親子で訪れ、最初はぎこちないさえずりが、時の経過と共に鶯のさえずりが綺麗になったなぁという経験を多くの人がもっていました。 私もそういう経験を幾たびかしてきました。
●中川志郎(元上野動物園園長)の子育て論
           エイデル研究所
 鳥の雛は孵化する20時間以前から、親鳥と鳴き交わします。そして生まれて直に母鳥の鳴き声を聞いて、さえずるようになっていきます。 何かの都合で親鳥と離れ人間の手で孵化した小鳥を、他の鳥と接触させることなく、鳥かごや小屋で育てると、 さえずることが出来なくて、一生鳴くことが出来ず、鳥にはなりきれないのです。

 現段階で、新型コロナ風邪で、20歳以下で亡くなった方は報告されていません。そういう状況の中で、小 学生(小学生に限りませんが)にとって、マスクでの通学、マスクをしての授業が通常となっています。
安松幼稚園では、笑いが顔に溢れ表情の豊かな児を育てたく思っています。
人間の笑いと豊かな表情は、上記の矩形の内容と同じく、放っておいて勝手に生まれるのではありません。
周りの人の笑顔や豊かな表情を見て、影響されながら生まれ育っていくものです。
マスクでの生活が長くなれば、7,8年後のある会社で、「今年の新任は、全然表情がないやないか。何を話して も無表情で反応がない!!」という風になることでしょう。
 例えば、20年間マスクを強制でつけっぱなしで育てた結果、マスクをとった時にどのような顔・表情にな っているでしょうか。想像するに、恐ろしいことです。
 確かにマスクをすることによって風邪感染のリスクを減らすことが出来るプラスがある反面、マスクをずっとし続けることによって、笑顔が減り、豊かな表情が育たず、 人間関係が希薄になるというマイナス面があります。
私たちは、これらプラス面とマイナス面の両面に視点を当てて、新型コロナ風邪による20歳以下で亡くなっ た人は 0名という状況の中で、バランスの取れている判断をしていく必要があると思います。
 誤解のないように申し添えますが、マスクを全否定しているのではありません。個々の事情・体調により、適切なマスク着用は大いに勧められるべきものです。
私が申し上げたかったのは、小学生が常にマスクを強いられるのは問題が多く、登校に際してマスクをしなければ肩身が狭くて登校できないという実態は、子供の豊かな育ちを大切にしたいという面 とのバランスを欠いているのではないかということです。
私は、 物事全体を視野に入れバランスの取れた判断を心掛けたい と常に思っています。
 ここでの記述は、12月28日段階での情報を基にしています。新しい事態が起これば修正されていくべきものだということを、ご理解ください。
 最後に、多くの困難の中、色々な事に取り組んでいただいている皆様に、感謝申し上げます。
明けない夜はないと申します。
来年早くに新型コロナ風邪が終息し、皆さんの生活に潤いが戻ってきますように 心から念じ申し上げます。

こころ一つに 2020年2021年と 
何とか乗り切っていきましょう!!
どうぞ良い年になりますように

安松幼稚園     
理事長 安井俊明