理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成24年1月1日
理事長 安井俊明
負けないぞ 日本

【Ⅰ】まずは新年のご挨拶ですが……
「新年あけましておめでとうございます」と、記したいところですが、昨年の東日本大震災や豪雨による災害を思うとき、被災地の方々のことが頭をよぎり、多くの方が素直に新年を喜ぶ気持ちになりづらいのではと推察致します。

三界は安きことなし、なお火宅の如し(われわれの生きている世界は平安なことがなく不安・動揺で満ちていて、それはちょうど火のついた家に住んでいるようなものである」と法華教に説かれる通り、まさに平成23年は日本にとって苦難の年となりました。
さらに「生老病死の憂患あり」と説かれる私達の人生。
国・社会・家族・人のあり方について、しっかりと見つめていかねばならない時代に入ったと感じています。

【Ⅱ】今の日本は閉塞感に覆われているが、時には地球規模における日本の姿を見つめてみよう。
日本(人)は、今まで多くの苦難を乗り越えてきました。
大地震、台風、飢饉等の自然災害以外にも、13世紀の元寇、19世紀の開国、20世紀初頭の日露戦争、そして直近の大東亜(太平洋)戦争における敗北から見事に立ち直りました。(その背景については、H23.3.22の理事長エッセイ 日本人の誇りの源 自然を受け入れてきた民よ の中に記しましたので、ご覧頂けると嬉しいです)


あまりにも日本の現状に対して悲観的な見方が多いので、地球規模における日本の姿をちょっと記してみました。(以下は100%の話ではないことを頭に入れてお読み下さい。)

1)

ある意味、国・社会・人の総合力を表すとも言える平均寿命は、日本が世界1位であり、最高の長寿を記録している。

2)

世界的な視野で観てみると、貧富の差が少なくて平等であり、国民は首相の悪口を思う存分言うことが出来る。

4)

衛生的で美味しい食事も、日本には溢れている。

5)

水栓からそのまま安全に飲める水が各戸に配られ、断水もほとんどなく、電気、都市ガス、ボンベに詰めた天然ガスの供給を受けられる。

6)

かりに金がなくても誰もが医療の恩恵を受けられ,病人は救急車が運んでくれる。
また学校にも安全に行ける。鉛筆やノートは充分にあり、義務教育後、進学を希望すればそれは誰にとっても可能である。

7)

誰でもが、特段に高額な出費をしなくても、移動の自由を持っている。

8)

今晩、食べるものがないという人は、ほとんどいない。

9)

日本の社会・家庭・個人において、テレビ、冷蔵庫、電話、車が充分に満ちている。

10)

100%に近い人が字を読むことが出来、新聞・ネット・テレビなどで、ほとんどの情報を得ることが出来る。それ故、議員を選ぶ方法として、投票制度が可能である。

11)

警察や軍隊は、例外の少数者を除いて、正しい目的意識を持ち、その機能を最大に発揮している。


世界何十カ国での生活体験をおもちの曾野綾子さんは、上記のことを方々に記され、「日本の庶民生活は世界最高の水準に達している。これを天国と言わないで、何を天国と言うのだ」と喝破されている。

上記の(1)~(11)を指摘されれば、なるほどと思いつつも、日本人の感じる幸福度は少なく、特に昨年の東日本大震災以来、日本を覆う閉塞感はどこから来るのであろうか。

【Ⅲ】国難の中で国家の存在を受け止めよう(自分の国くらい自分で守ろう)
大震災にしても原発事故にしても、その対応は「国力」の動員以外になし得ない。今こそ国家の出番である。
ところが悲しいかな、日本(人)は1945年の敗戦以来、日本の国家・歴史・国柄・文化について、思考停止に陥っていると私は感じている。そしてその根源は、自国の責任ですべき国防を放棄し、最も大切である国の守りを他の国に任せ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という敗戦後に押しつけられた憲法そのものが、日本の国柄を破壊し、現在の閉塞感につながっている。そして内政・外交(歴史、領土、経済、教育など)-に関する問題点の多くが、ここに起因しているといっても過言ではない。
教育の目的が子供の自立にあるように、そして自分の気持ちを表現でき、自分の頭で考えて行動出来る一個の人格を持った人を育てるところにあるように私は考えているが、日本の国についても同様な思いを持っている。
「自分の国くらい自分で守ろうよ」という自立の願いを持ちつつ、【Ⅱ】で述べたように、私は日本に対する誇りと感謝をもっている。
そして今後は、「教育」と「日本の国柄と一国一文明」の2点が、日本復興のキーワードになることであろう。

負けないぞ 日本!!